テレビ放映のお知らせと復元河川の環境調査

みなさん、こんにちは。
本日は釧路湿原に関して2点ご紹介があります。

<目次>
1.釧路湿原に関するテレビ放映のお知らせ
2.釧路湿原復元河川の環境調査
3.釧路川茅沼地区蛇行復元事業の説明
4.土壌調査
5.調査結果発表・まとめ


1.釧路湿原に関するテレビ放映のお知らせ

釧路湿原の自然再生事業や防災・減災機能の特集が、NHKのテレビ番組「北海道クローズアップ」で放送されます。日程は下記のとおりです。

  • 番組名:北海道クローズアップ(NHK総合テレビ)
    「守れ〝命のインフラ″~注目される釧路湿原の防災力~」
  • 日時:平成29年7月21日(金)19:30~19:56
  • 内容:釧路湿原自然再生、釧路湿原の価値・効果について
    (平成28年8月の洪水被害と釧路湿原の遊水機能について紹介予定)
  • 出演者:釧路湿原自然再生協議会 中村太士 会長ほか

是非ご覧ください。


2.釧路湿原復元河川の環境調査

茅沼駅近くを流れる釧路川は、1980年代に直線化されました。

しかし、土砂流入が起き、湿原中心部の乾燥化や植生の変化などの問題が目立つようになってきました。
そのため釧路湿原自然再生事業の一環として、釧路川の直線化部分約1.6kmを元の流路へ戻す工事を行い、2010年2月に旧河川へ通水、30年ぶりに蛇行が復活しました。
釧路国際ウェットランドセンター(KIWC)では、市民と共に2010年から毎年春と秋の2回、蛇行復元河道とその周辺地域で、環境調査を行っています。
専門家の指導のもと「水生生物調査」「植生調査」「土壌調査」の3班に分かれて、過去の直線化が河川環境に与えた影響や、蛇行復元後の河岸・河畔の変化を調査しています。今回は夏の環境変化を調査しました。
まずは、KIWCの菊地事務局長より開会の挨拶です。

当日の標茶町は最高気温33℃の真夏日でしたので、熱中症に注意しながらの作業となりました。

3.釧路川茅沼地区蛇行復元事業の概要

北海道開発局釧路開発建設部の方から茅沼にある展示パネルを使って、復元した河川によって期待される効果などの講義を受けました。

川の直線化により、河川水位が低下し氾濫頻度が低下したことから湿原に分布するヨシ生育地が減少し、湿原内部の土砂流入が増加したこと、蛇行復元河道工事の方法、直線を蛇行に戻すことによって期待される効果を学びました。

期待される効果としては

    • 湿原中心部への負荷の軽減
    • 湿原植生の再生効果
    • 魚類などの生息環境の復元
    • 湿原景観の復元

などがあげられるとのことでした。

また昨年3度台風が上陸した8月の釧路湿原について説明がありました。

湿原の遊水効果で雨水が湿原にとどまり、市街地の水害が少なかったとのことでした。

4.土壌調査

今回事務局員は土砂調査班に入りました。

川を蛇行化すると川が氾濫しやすくなります。水に混じって土砂も一緒に運ばれ、一部が地表に残ります。また水の力が強いと粗い粒が川からあふれ出ます。期間中に積もった土砂の量や層を調べることで、川がどんな動き方をしたのか推理していきます。

KIWC技術委員長の新庄さんの指導のもと、河川復元後河岸のどこにどんな種類の土砂がどのくらい積もったのか調べました。

まずは標本木を基準にして長いメジャーを使って測りながら、河川復元後に岸辺に新しく出現した砂州の大きさを調査しました。

1過去の数値と比較したところ、

標本木から新しく形成された砂州の中心部までの距離は少し長くなっているが砂州右端、左端までの距離は前回と比べ短くなっていること。

2目視で確認したところ過去と比べ、

対岸の川岸が少し削れていること。

3新しく形成された岸辺近くの水深が深くなっていること

以上のことなどから砂州の形成は、7年の時を経て落ち着いてきたことがわかりました。

続いて、岸辺の土の構成要素を調査しました。

水が出てくるところまで砂州を掘っていき、

①植物の生えてきている内側の砂州の土の構成成分

②砂州の岸辺近くの土の構成成分

2か所を調査しました。

その結果、

①の植物が形成されてる部分では植物の根が30センチ深くまで確認することができ、さらに表面に少し細かい砂が確認できるようになったことから、砂州が完成に近づき植物が生育できる環境になってきたことが確認できました。

②の岸辺近くの新しく形成された砂州ではまだ表面は粗い砂で、この部分はまだ川の氾濫であふれ出た水の影響があることが確認できました。

土砂調査班は素早く作業を終え、水生生物調査班、植生調査班の終了を待って、「憩いの家かや沼」に行き、調査結果の発表とまとめを行いました。

5.調査結果発表・まとめ

土砂調査班の調査報告のほか、水生生物調査班と植物調査班の結果報告がありました。
まずは水生生物調査班による報告です。水生生物班の指導者は環境把握推進ネットワークの照井滋晴さんです。

水生生物の調査方法は、復元河川から自然河川に至る5か所の岸辺にそれぞれワナを仕掛けておいて、そのワナの中に入っている水生生物の種類と数をそれぞれ調べていきます。

復元された蛇行河川の部分では

ウグイ、ドジョウ、ザリガニ、ヨコエビなど。

蛇行河川の支流部分では、流れの落ち着いた部分のためか

ウグイ、ギンブナ、ザリガニ(※メス多め、卵を産んだ直後と考えられる)など。

復元河川から自然のままの流れの部分では

ザリガニ、ヨコエビ、

自然の流れにできた溝部分ではゲンゴロウ、イサザアミが確認されました。

続いて植生生物班の調査の報告です。指導者は道東野生植物研究家 高嶋八千代さんです。

植生生物班の調査方法は、直線河道と復元された河道との合流点付近に2m×2mの枠を5ケ所設けており、毎年その枠内に生えている植物の種類とその繁茂の程度を調べています。

氾濫地は平坦で水の供給がよく、植物の生育には好適な条件が多い一方で、洪水のたびに洗い流される環境なので、安定的な植物群落は成立しにくいのですが、非氾濫地では、氾濫地から陸への変化が落ち着いてきたことを意味するイネ科の植物が増えていることが分かりました。

まとめとして、河川を蛇行に復元してから7年たち、川も落ち着いてきたことがうかがえる結果となりました。
10月も復元河川の調査が行われる予定なので、長期滞在者の皆様もご関心があればぜひ参加してみて下さい。

また、釧路湿原国立公園指定30周年記念シンポジウムが7月31日(月)ANAクラウンプラザホテルで13時より開かれますが、今回土壌調査班の指導者であった新庄久志さんの記念講演がその中でありますのでよろしければお時間のつく方、ぜひご参加ください。

釧路湿原国立公園指定30周年記念シンポジウム チラシ(PDF)


お世話になったところ
釧路国際ウェットランドセンター

くしろ長期滞在ビジネス研究会

(事務局:釧路市黒金町7-5釧路市役所本庁舎2F市民協働推進課内)お問合せ先TEL:0154-31-4538
お気軽にお問合せ下さい。

※釧路市は国民運動「COOLCHOICE」に賛同しております。

 

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