ありがとう石炭列車見学会

D801

みなさんこんにちは。
くしろ長期滞在ビジネス研究会事務局の高橋です。6月の釧路は真夏のように暑かった日もあれば、冷蔵庫の中にいるようにとてもひんやりとした日もあり、日によって温度が変わっていました。

先日私は「ありがとう石炭列車見学会」に参加してきましたので、 皆様にご紹介したいと思います。講師はおなじみ釧路市立博物館の石川学芸員です。

石炭列車と呼んでいる列車は太平洋石炭販売輸送(株)の臨港線(旧釧路臨港鉄道)を走る列車のことで、臨港線は国内唯一の炭鉱鉄道として、市民や鉄道愛好家から親しまれる鉄道でした。
ディーゼル機関車は4つあります。まずD801をご紹介します。

D801

D801は昭和41年に雄別鉄道の石炭貨物列車として日本車両で製造され、雄別鉄道が廃止になった後、その一部路線を引き継いだ釧路開発埠頭(株)を経てその後太平洋石炭販売輸送(株)の石炭列車になりました。
そのため前面のラインは3本線が入っているのが特徴です。 運転室にも入ることができました。プラットホームは特になく地面から乗り降りするので、列車に備え付けの階段で上に登ります。

結構高さがあり、驚きました。手すりをたよりにカニ歩きで進んで運転室に入ります。運転席は進行方向に横向きになるように設置されています。石炭を積む作業がしやすいようにとのことです。

 普通のアクセルとブレーキのほかに、石炭車の排炭扉を開閉するレバーもありました。こちらで操作すると自動的に石炭車の排炭扉が開き、下記のように逆V字型で積んでいた石炭がザザーと一斉に下に落ちます。ちなみに荷箱内はブルーの硬質塩化ビニールが貼り付けられ石炭の凍結を防止しています。

次に石炭車についても詳しく説明していただきました。

この石炭車はセキ6000形と呼ばれるものです。釧路臨港鉄道が日本車両の共同開発したものです。特徴は石炭専用車のため上部が開いているのと、2両1セット(通常は2両4軸ですが、この車両は2両で3軸)で連接されています。2車体が連接台車でくっついているのはとても珍しい構造です 。

続いて選炭工場に向かいました。途中、春採駅がありました。駅といっても乗客がいるわけではないので、このように事務所になっています。

選炭工場へと向かう道中

こちらが選炭工場です。 奥に向かってゆるやかな傾斜になっており、 レールが3本に分かれていますがこのうち2レールを使用します。 列車はシャトルトレイン方式で一つの長い編成だったものを選炭工場の手前で編成の中間で二つに分割し、2編成とも一度に 最初奥まで列車を押し込んだ後、工場の職員と列車の運転手が息をあわせて列車を徐行させながら石炭を入れていくそうです。

石炭を採掘すると、2分の1は石炭以外のもののため運ぶ前に選別する必要があります。石炭はその他の砂利等と比べると比重が軽いため、水に浮かせて選別するという方法がとられているとのことです。選別前の運びきれないものはいったん貯炭場に保管することになります。

ちなみに、よく聞かれるそうですが、この細長い建物は貯炭場まで炭を運ぶために設置されたものです。選別前の石炭は、春採駅の目の前にある春採貯炭場(写真の細長い建物の端っこの地下部分)に貯炭されます。

春採貯炭場(この地下部分)

この鉄道の名物機をご紹介します。DE601(昭和45年製)です。

DE601

なぜ、名物かといいますと、日本車両の輸出用試作機と言われ、米国GE社の技術提携によりGE社の設計で日本で作られたとても珍しいものだからです。その証拠がプレートにも残っています。なんと英語のプレートです。

ちなみに車両名DE601のEは電気(エレクトロニック)のEで、長い間国内唯一の現役電気式DL車でした。馬力があるため、おもに石炭を積んで知人海岸へ向かう機関車として使われていました。そのためあまり裏面を見たことがない人もいらっしゃるようです。裏面はとてもかわいい顔のようです。

続いてD401です。こちらも大変珍しいロッド式機関車です。

D401

ロッド式とは、車輪の外側面に装置されたロッドを通じて動力が伝達される仕組みで、よくSL機関車などに用いられていますが、ディーゼル機関車ではとても珍しい構造とのことです。

ロッド

こちら、なんと昭和39年製造です。

D801車両プレート

その後、D701(昭和53年製)も見せてもらいました。こちらは特筆すべき特徴はないとのことでしたが、特徴ある顔つきになっています。

その後整備車両も見せてもらいました。まずはレールの下の砂利を運ぶ貨物車から。

この先端につける機関車が2つあります。一つはこちら。

一見するとかなりオーソドックスな顔をしていますね。

ところが、表から見てみると…歌舞伎役者風です笑

こちらの車両はモーターカーで排雪用として利用されていました。

そして、もう一つの整備車両がこちらです。

今まで見ていた機関車と比べるととても小さくてかわいいです。こちらもモーターカーで保線用車両として使われていたそうです。

さて残念ながら3月末で廃止となった石炭列車ですが、廃止となった理由としては、石炭の出荷先が令和2年度に釧路市内で稼働が予定されている火力発電所など地元主体に変わるため、本州等の火力発電所向けの石炭を釧路港まで輸送してきた臨港線の石炭列車は役目を終えたためとのことです。この石炭列車の保存・活用についてご意見のある方は釧路臨港鉄道の会までご意見をお寄せください。

ということで今後釧網本線を活用したイベントを長期滞在者の皆様向けに計画中です。是非お楽しみに!!

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